
うつ病というと、働き盛りの30代~50代に多いイメージがあると思いますが、最近では高齢化に伴って高齢者のうつ病が増えてきています。
高齢者のうつ病は原因や症状など、若い世代のうつ病と異なる点があり、対応や病院での診断に注意が必要です。
原因
高齢者のうつ病は、若い世代のうつ病と比べてさまざまな喪失体験がきっかけとなりやすいことが知られています。
具体的には大きく3つの原因が挙げられます。
①老化による身体・知的機能の低下
今までできていたことが出来なくなったり、病気が一生治らないかもしれないという不安感からストレスが大きくなり、ここからうつ病になってしまう場合があります。
また、長い入院生活によるストレスもうつ病の原因となります。
②配偶者や知人・友人との死別
配偶者や知人・友人との死別は、高齢者のうつ病の原因としてNo.1とも言えます。
「大切な人を亡くした」ことの悲しみが理由なのは当然ですが、男性なら妻がしていた家事、女性なら夫がしていた家長としての役割など、それまでにないストレスを感じるようになることも、うつ病の大きな原因となります。
③生活環境の変化
定年退職による社会的役割の喪失、老人福祉施設への入居など、今までの生活リズムや環境ががらりと変わることでストレスを感じ、うつ病を発症する原因となります。
症状
高齢者のうつ病では、若い世代のうつ病と違い、抑うつ気分のような精神症状があまり目立ちません。
その代わりに、体の不調を訴えることが多くなります。
例えば、耳鳴り、めまい、ふらつき、手足のしびれなど自律神経症状の訴えや、頭痛、腰痛、胃部不快感などの、特に原因がなく、なんとなく身体のあちこちの調子が悪いという訴えが特徴的です。
他にも、実際にはお金があるのに全くお金がないと考えたり、自分が罪深い存在であると自責の念にとらわれたりする、被害妄想のような症状も見られるようになります。
特徴
高齢者のうつ病は、症状が現れても自分自身も家族も「年だから仕方ない」と考えて、受診せずに放っておいたり、仮に受診したとしても、精神症状ではなく身体の痛みや不調などの身体症状を訴えたりすることで発見できずに重症化してしまうこともあります。
また、高齢者のうつ病は認知症の症状と似ている部分があり、そういった面でも正しい診断が難しいため、特に注意が必要です。
病院で適切な治療を受けることで、症状の改善が望めます。いつまでも健康で、ピンピンコロリな人生を送るためにも、異変を感じた場合は病院で診断を受けるようにしましょう。
TBS「夢の扉」で認知症改善に効果が期待されるプラズマローゲンという物質が紹介されました。
うつ病にも効果が期待されるプラズマローゲン。