
「認知症」は、老いにともなう病気の一つです。
さまざまな原因で脳の細胞が死ぬ、または働きが悪くなることによって記憶・判断力の障害などが起こり、社会生活や対人関係に支障が出ている状態がおよそ6か月以上継続する場合に認知症とされます。
現状は原因や治療法がまだはっきりとわかっていない部分も多く、不治の病と言われています。
また、認知症はその原因によって様々な種類に分けられ、症状や進行スピードにもそれぞれ特徴があります。
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4大認知症とは?
認知症の中で大半を占めるのが、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の4大認知症と呼ばれる病症です。
①アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も患者数が多いとされているのが、アルツハイマー型認知症です。
女性に多く、アルツハイマー型認知症は、アミロイドβなどの特殊なたんぱく質が脳に溜まることで起こります。
たんぱく質が溜まる原因についてはまだはっきりと分かっていません。
症状は年齢とともに緩やかに進行し、約束を忘れる、電話を切った直後に電話をしていたことを忘れるなどの「もの忘れ」から始まります。
病状が進行していくにつれ、徘徊する、食事が一人で食べられなくなるなどの中等度症状を経て、最後には寝たきりになってしまいます。
②脳血管性認知症
脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症の次に多いとも言われており、主な原因は脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など生活習慣病がもとで起こる疾患です。
アルツハイマー型認知症とは対照的に、症状の進行がはっきりとわかる段階的な進行が特徴です。
初期症状としては意欲の低下や不眠が挙げられ、急に良くなったり悪くなったりと、状態が安定しない傾向が見られます。
脳梗塞などがきっかけで発症し、その後脳卒中などの発作が再発するたびに悪化していきます。
③レビー小体型認知症
レビー小体という特殊なたんぱく質が脳に溜まることで発症し、主な症状としては認知機能の低下、歩行障害、うつ状態などが挙げられます。
初期段階から幻視が現れることも特徴で、生真面目な人ほど発症しやすいと言われています。
レビー小体型認知症の症状は、幻覚、身体のバランスが崩れる、睡眠時の異常行動、食事中にむせやすくなる、薬の副作用が出やすくなるなどさまざまです。
また、典型的な症状が揃いにくいため、最初に出た症状からうつ病やパーキンソン病などと誤診されることもあります。
④前頭側頭型認知症
アルツハイマー型認知症などと比べると患者数が少なく、原因など解明できていないことが多くある前頭側頭型認知症。
病名の通り、前頭葉や側頭葉が委縮することにより発症します。
40代~60代など若いうちから発症しやすく、他の認知症とは異なり「もの忘れ」の症状があまり見られないことが特徴です。
主な症状は、同じ行動を脈絡なく繰り返す、夜中に冷蔵庫の物を食べあさる、万引きなどを罪悪感なく行うなど、異常行動が目立ちます。
このように、認知症にはさまざまな種類があり、原因や症状もまったく異なります。
ただ、どの病気の場合も早期発見・早期治療で進行をなるべく遅らせることが大切です。
ご自身やご家族などで気になる症状がある場合は、すぐに病院に行きましょう。
認知症の病院選びについては次の記事をチェックしてください。